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第3回表象文化論学会賞受賞者

下記の通り第3回表象文化論学会賞受賞者が決定されました。各賞の受賞理由および選考委員のコメントは、授賞式(7月7日(土)開催予定)の報告とともに『REPRE』次号に掲載する予定です。

  • 学会賞:大橋完太郎『ディドロの唯物論──群れと変容の哲学』法政大学出版局
  • 奨励賞:
    小澤京子『都市の解剖学──建築/身体の剥離・斬首・腐爛』ありな書房
    鯖江秀樹『イタリア・ファシズムの芸術政治』水声社
  • 特別賞:該当なし

[選考委員(50音順)]

  • 香川檀
  • 桑野隆
  • 杉橋陽一
  • 松浦寿夫

[選考委員会]

2012年3月5日(月) 東京大学駒場キャンパス

[選考過程]

2012年1月上旬から1月末まで、表象文化論学会ホームページおよび会員メーリングリストにて会員からの学会賞の推薦を募り、以下の作品が推薦された(著者名50音順)。

[学会賞]

  • 石谷治寛『幻視とレアリスム─クールベからピサロへ、近代フランス絵画の再考』
  • 江村公『ロシア・アヴァンギャルドの世紀─構成×事実×記録』
  • 大橋完太郎『ディドロの唯物論─群れと変容の哲学』
  • 小澤京子『都市の解剖学─建築/身体の剥離・斬首・腐爛』
  • 佐藤守弘『トポグラフィの日本近代 江戸泥絵・横浜写真・芸術写真』
  • 劉文兵『証言 日中映画人交流』

[奨励賞]

  • 石谷治寛『幻視とレアリスム——クールベからピサロへ、近代フランス絵画の再考』
  • 石谷治寛「理性の眠りは怪物を生み出すか?インカ・ショニバレの船と布地」(『表象』05号)
  • 大橋完太郎『ディドロの唯物論─群れと変容の哲学』
  • 小澤京子『都市の解剖学─建築/身体の剥離・斬首・腐爛』
  • 鯖江秀樹『イタリア・ファシズムの芸術政治』

[特別賞]

  • 金杭『帝国日本の閾──生と死のはざまに見る』
  • 長谷川祐子「ゼロ年代のベルリン展」および「建築、アートがつくりだすこれからの“感じ”展」キュレーション

このなかで、特別賞として推薦のあった金抗氏の著作は、発行日が2010年12月と記載されていたために、学会賞の規定に従い、選考対象から除外された。

選考作業は、各選考委員がそれぞれの候補作について意見を述べたうえで、全員の討議によって各賞を決定していくという手順で進行した。なお、海外研修中のために選考会議に出席できなかった委員(1名)については、所見をまとめたものを事前に提出してもらい、会議終了後に選考結果についてメールで同意を得るというかたちをとった。奨励賞については、最終的に候補に残った小澤京子氏、鯖江秀樹氏の著作が甲乙つけがたいという判断により、これら2篇を選出することになった。

特別賞については、長谷川祐子氏のキュレーションが候補として残ったものの、選考委員会の総意として、展覧会自体がすでに終了しており、選考委員が実際に観ることができない以上、受賞の可否を判断することができないという結論に至った。特別賞の規定や選考方法については、今後検討しなおすべきだろうとの意見が出された。(第3回表象文化論学会賞事務局)

電子書籍『共感覚の地平』発行

第4回表象文化論学会大会(2009年7月4、5日、於京都造形芸術大学)の研究発表パネル「共感覚の地平—共感覚は「共有」できるか?」が、内容を拡充のうえパネル企画者の北村紗衣さんにより電子書籍『共感覚の地平』として発行されました。電子書籍は以下のリサーチマップ及び出版者サイトからダウンロードできます。


[目次]

  • はじめに 北村紗衣
  • 巻頭エッセイ:共感覚とは何か? 長田典子

  • パネル記録集「共感覚の地平―共感覚は共有できるか?」
  • パネル要旨
    • 感覚のマイノリティ――共感覚と共感覚者をめぐるフィクション 北村紗衣
    • 日本人共感覚者(海外在住経験者)の文字認知 湯澤優美
    • 共感覚の情報処理 斉藤賢爾
    • ヘレン・ケラーになるために――荒川修作と共感覚 門林岳史
    • 共感覚パネルを終えて――コメンテイターによるパネルの総括 折田明子
    • パネル報告 横山太郎

  • 特別論考:声を剥がす――聾の想像力 木下知威
  • 書評:天祢涼『キョウカンカク』 森山至貴
  • 共感覚研究動向案内 松田英子
  • 共感覚年表 松田英子


(REPRE編集部)