新刊紹介 |
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ダナ・ハラウェイ+シルザ・ニコルズ・グッドイヴ
『サイボーグ・ダイアローグズ 』
高橋透+北村有紀子(訳)、水声社 、2007年03月
最近ロボット関連の書籍が目に付く。さらに、人間と機械の融合としてのサイボーグについても報道され、紹介されるようになってきた。また、少し昔の話になるが、クローン羊のドリーが世界を震撼させたこともまだ色あせない記憶として残っている。「サイボーグ宣言」の著者ダナ・ハラウェイは、人間と機械との融合にとどまらず、動物、さらには植物とのバイオテクノロジーを通じての融合(トランスジェニック)をも射程に入れた広義のサイボーグ概念を提出している。ロボット、サイボーグ、そしてトランスジェニックが社会に急速に入り込みつつあるなか、今後このようなハラウェイ的な、広義のサイボーグ概念は、先端テクノロジーによって急速に変貌しつつある現代世界を読み解き、対処する術を提供し続けるであろう。本訳書『サイボーグ・ダイアローグズ』は、ハラウェイがみずからのこれまでの仕事と生涯について語った対談だ。人間と機械の融合としてのサイボーグはもとより、トランスジェニック(オンコマウス)、そしてバイオ・ポリティクス、ジェンダー論、テクノサイエンスについて縦横無尽に論じた本訳書は、来るべきサイボーグ時代を生き抜くための指針となるだろう。 (高橋透)
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