新刊紹介 | 編著、翻訳など | 『六〇年代演劇再考』 |
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岡室美奈子(共編)
『六〇年代演劇再考』
水声社、2012年3月
2008年10月、早稲田大学演劇博物館グローバルCOEプログラム「演劇・映像の国際的教育研究拠点」の主催により、「国際研究集会・60年代演劇再考」が開催された。本書はその記録であり、アングラ演劇の単なる回顧でも神話化の確認でもなく、当事者たちの証言によってリアルなアングラ像を掘り起こし、検証し、記録することを目指したものである。唐十郎、佐藤信、蜷川幸雄、別役実、大笹吉雄、菅孝行、デイヴィッド・グッドマン、佐伯隆幸、扇田昭彦といった六〇年代当時から現在まで第一線で活躍する劇作家、演出家、批評家に加え、岡田利規、平田オリザ、宮沢章夫ら後続の演劇人たち、さらにニューヨークのラ・ママ実験劇場の創立者エレン・スチュワート、安藤絋平、九條今日子、萩原朔美ら故・寺山修司氏を支えた人びとが一堂に会した濃密な時空間がこの1冊に凝縮されている。生々しい証言の数々は、これまで語られることのなかったアングラ演劇の輪郭を浮かび上がらせるだろう。(岡室美奈子)
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