新刊紹介 単著 『日本電影在中国』

劉文兵(著)
『日本電影在中国』
中国電影出版社、2015年2月

本書は戦前に始まり、戦中・戦後を経て、現在に至るまで続いている日中映画交流の歴史を複眼的かつ体系的に扱った、中国語の学術本である。1980年代の中国における日本映画の受容に焦点を当てた著者の日本語の著書『中国10億人の日本映画熱愛史――高倉健、山口百恵からキムタク、アニメまで』(集英社新書、2006年)を改稿・翻訳したうえ、さらに戦前の満州、日本占領下の上海、そして中華人民共和国建国初期の日本映画の輸入など、書き下ろしの内容を取り入れたものである。

本書は「サントリー文化財団2014年度海外出版助成」をうけており、2015年2月に中国の映画研究において最も権威のある出版社「中国電影出版社」より上梓された。初の日中映画交流通史ということですでに注目を集めており、今後、中国語圏において広く読まれていくことが期待される。(劉文兵)

劉文兵(著)『日本電影在中国』中国電影出版社、2015年