新刊紹介 単著 『アメリカン・ポピュラー・ミュージック』

當間麗
『アメリカン・ポピュラー・ミュージック』
DTP出版、2012年

本書はロックンロール衰退以降に台頭したアメリカン・ポップスに始まり、ブリティッシュ・インヴェイジョン、フォーク、ソウル、サイケデリックロック、パンク、ハードロックとヘヴィメタル、ファンク、MTV、ポップロック、オルタナティヴロック、そしてヒップホップにいたるアメリカ大衆音楽史の概説書である。大学講義用テキストとしても使用しやすいよう全体を12章に分け、重要な楽曲は囲い込み記事で紹介して現時点でのYouTubeサイトを付した。また各章の終わりには【キーワード】と【アーティスト】の一覧、さらに【読書案内】と【視聴覚資料】を付し自主学習教材としても活用できるよう工夫をした。本書はブルース、カントリー、ゴスペルを中心とするルーツ・ミュージックからロックンロールの誕生にいたる経緯を概説した前著『アメリカン・ルーツ・ミュージックとロックンロール』(DTP出版)の続編として、主に1960年代以降のアメリカ音楽史を中心に、商業主義と芸術創造の拮抗、人種、格差社会、ジェンダー等の問題に焦点をあて、人々の日常生活と密接に関わる大衆音楽がもつ社会性、つまりコミュニケーション・ツールとして音楽が担う重要な社会的役割を論じたものである。(當間麗)