新刊紹介 | 編著/共著 | 『カタストロフからの哲学 ジャン=ピエール・デュピュイをめぐって』 |
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森元庸介、渡名喜庸哲(編著)
『カタストロフからの哲学 ジャン=ピエール・デュピュイをめぐって』
以文社、2015年10月
2014年の末に慶應義塾大学でおこなわれたシンポジウム「ジャン=ピエール・デュピュイの思想圏」をもとにした論文集である。当日の三つの報告の内容を改訂・増補した論文を収めたほか、やはり当日にコメンテータを務めた西谷修による総括的な論攷を巻頭に置いた。内容上の骨子を記したならば、それは『Repre』24号の【シンポジウム報告】と大きく変わりようがない。ただ、通読してくださったある方が「なんだか不思議な本だなあ」と漏らされ、「きっと、素人っぽいと思われたのでしょう? 」とお返事をしたら、「たぶん、そうだね」と納得されていた。シンポジウム当日についての反省があり、執筆者のあいだでずいぶん話し合い、それでもまだ手探りだけれど、と恐れていた。とはいえ、その話し合いのなかで、「素人」であることの大切さが、あらゆる領域における「玄人」デュピュイの思想の核心にあるのではないか、という問いを共有するに至った。その結果の論集である。玄人のみなさまからはいわずもがな、とりわけて素人のみなさまから厳しくご批判を頂ければと願っている。(森元庸介)
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