編著/共著
結婚の自由 「最小結婚」から考える
白澤社
2022年11月
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アメリカのロールズ派のフェミニスト倫理学者エリザベス・ブレイクは、『最小の結婚 Minimizing Marriage』(原著2012、邦訳2019)において、斬新で体系的な結婚論を提起した。その趣旨は、同性婚が各国で法的に承認されたことは、我々の「結婚」の概念を根底から変えることになる。「結婚」に何を求めるかは「人それぞれ」に異なるので、どの要求にも応えられるのが、あるべき制度としての「正義に適う結婚」である。結婚の基礎を「異性愛」から「友愛」や「ケア」に転換することによって、同性婚だけでなく、ポリアモリー(複数恋愛婚)や友だち婚にも、制度としての結婚を認めるべきであり、(1)パートナー関係と、(2)出産や育児とは、結婚における異なる要素として分離すべきである。ブレイクの提起を受けて、その主張をさまざまな観点から検討した論文集が本書。
(植村恒一郎)