編著/共著
英詩に迷い込んだ猫たち 猫性と文学
小鳥遊書房
2022年3月
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猫。この不思議で愛おしい生き物。猫たちの世界は、人間と重なっているようで、時間も、そして空間さえも、彼らにしかわからない、猫たちにしか共有できない、なにかがある。ふわふわして、ぷにぷにした肉球をもっていて、彼らがあまりにも人間に寄り添っているようにみえるので人間は同じものをみていると錯覚する。それでも人間たちは、不意に、猫たちにしか見えないもの、聞こえないものを感じてしまい、「なぜ、お前は猫なのか?」と、愛おしく、そして寂しさをもって、問いかける。
本書は、猫性―猫らしさ、猫の特徴、猫の不思議など―をいくつかに分類し、それにまつわる詩や文学、動物行動学などの書籍を紹介しています。これまでに、ありそうでなかった、「猫性」という観点から、猫の英詩の日本語訳とその解説、猫性にまつわる小説やエッセイ、科学的な論文等を猫らしく気まぐれにまとめた本となっています。さまざまな猫の姿、そして、チョーサー、宇多天皇、紫式部からT・S・エリオット、R・S・トマス、小林一茶、夏目漱石、内田百閒、萩原朔太郎、武田百合子、小池昌代、角田光代、養老孟司・・・と、猫たちを愛した人間たちの視線を味わっていただける本となっています。猫たちが紡ぐ詩や物語のなかに迷いこみ、可愛らしいだけではない、奥深い猫まみれの世界をお楽しみください。
(松本舞)