編著/共著
『個と普遍 レヴィナス哲学の新たな広がり』
法政大学出版局
2022年1月
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2019年に早稲田大学および京都大学を会場に行なわれた国際シンポジウムの記録。日本の若手から中堅の研究者のみならず、フランス、アメリカ、オーストリア、イスラエル、韓国など海外の研究者ら総勢20名が参加。「西洋」に対して、「ユダヤ」といういわば「他者」の観点を導入したレヴィナスの思想は、東方/東洋というさらなる「他者」とどのように対話可能か。ケアや医療といったこれまで関連づけられてこなかった分野とどのように接続できるか。これまでよく対話相手に選ばれてきた馴染み深い思想家はもとより、それ以外の哲学者・思想家(ジュディス・バトラー、孟子、清沢満之、田辺元、アガンベン、ジャンセニズム、シェリング、アドルノ、ジャン=フランソワ・リオタール、ジャン=リュック・マリオンなど)とどのような対話の可能性が開かれるか。これら三つの軸をめぐり、たえず「顔」という個別的で特異的な存在に向けられた応答責任の倫理を説いていたレヴィナスの思想は、どのような普遍的な射程をもちうるかが検討される。
(渡名喜庸哲)