編著/共著
カバコフの夢
現代企画室
2021年8月
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ロシアの現代アーティスト、イリヤ&エミリア・カバコフは、2000年に「大地の芸術祭 第1回越後妻有アートトリエンナーレ」で、芸術祭のシンボル的作品となったインスタレーション《棚田》を制作、2015年には《人生のアーチ》を設置し、2021年には新作7点を設置。世界でも類をみないカバコフの作品群「カバコフの夢」プロジェクトが完成した。本書はその作品集であり、イリヤ&エミリア・カバコフのメッセージ、カバコフと妻有の関係を論じた「大地の芸術祭」総合ディレクターの北川フラムのテクスト、当プロジェクトのキュレーターである鴻野わか菜による論考、作品解説、年譜が、多数のカラー図版と共に収録されている。
「カバコフの夢」は、ソ連時代、そして亡命後の困難な生活の中で創作を通じて夢を追い続けたカバコフの「夢のアーカイブ」として構想された作品群であり、本書を通じて、カバコフの創作の全体像を把握することができる。また、2021年に松代の山中に完成したモニュメント《手をたずさえる塔》はカバコフの後期の代表作で、多様性、相互理解をアートを通じて促そうとする作品であるが、その詳しい内容やカバコフによる解説を読むことができるのは本書のみである。
(鴻野わか菜)