編著/共著
コティングリー妖精事件 イギリス妖精写真の新事実
青弓社
2021年6月
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1917年から1920年にかけて、ヨークシャー州のコティングリー村に住む二人の従姉妹が、5枚の「妖精写真」を撮影した。作家コナン・ドイル(熱心な心霊主義者であり、心霊写真を研究する「超常写真研究協会」の副会長も務めていた)が紹介したことで有名になったこれらの写真は、本人たちの告白によりフェイクだったことが判明した後も、不思議な魅力で人々を魅了しつづけている。
本書は、関連資料の紹介や論考を通じて、この「コティングリー妖精写真」の魅力や意義を問い直すものである。前半では、英文学者・井村君江が2002年にオークションで落札した関連資料「エドワード・L・ガードナー遺品」がカラー写真で紹介されている。ガードナーはコティングリー妖精写真の調査を主導した神智学者であり、この資料には、妖精写真のコピー(ネガとプリント)や関係者のスナップ写真などの他、コティングリー妖精写真に触発されてグラスゴーで撮影された「グラスゴー妖精写真」の調査報告などが含まれる。後半には、妖精写真100周年の記念イベントの参加報告や、現在のコティングリー村の紹介などの他、赤井敏夫、井村君江、井村淳一、鏡リュウジ、高山宏、浜野志保、メリック・バローによる論考が収録されている。
(浜野志保)