編著/共著

三浦篤、加治屋健司、清水修(編)

シンポジウム「宇佐美圭司《きずな》から出発して」全記録

東京大学
2019年5月
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2017年9月、東京大学本郷キャンパスにある中央食堂の改修工事の過程で、東京大学消費生活協同組合は、同食堂に展示されていた宇佐美圭司の絵画《きずな》(1977年)を廃棄処分してしまった。東京大学は、この事態に対して深く反省し、学内の文化資産の適切な保存・管理を進めると同時に、翌年9月安田講堂でシンポジウム「宇佐美圭司《きずな》から出発して」を開催した。本書はその記録集である。五神真総長による開会の辞に始まり、三浦篤教授による趣旨説明、高階秀爾名誉教授による特別講演の後、鈴木泉教授(哲学)、加治屋健司准教授(表象文化論)、髙岸輝准教授(美術史)が《きずな》を中心に宇佐美作品を論じた。学外から参加した造形作家の岡﨑乾二郎氏と林道郎上智大学教授が宇佐美の仕事をより広い文脈で検討した後、木下直之教授(文化資源)、佐藤康宏教授(美術史)、小林真理教授(文化資源)が文化資源の廃棄の問題を考察した。巻末に絵画廃棄処分についての経緯と対応も記載されている。本書は市販されていないが、国会図書館や主要な大学図書館・美術館図書室などで閲覧することができる。

(加治屋健司

広報委員長:香川檀
広報委員:白井史人、原瑠璃彦、大池惣太郎、鯖江秀樹、原島大輔、福田安佐子
デザイン:加藤賢策(ラボラトリーズ)・SETENV
2019年10月8日 発行