編著/共著
iHuman AI時代の有機体-人間-機械
学芸みらい社
2019年3月
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人工知能や人工生命の研究の躍進が、人間や人間の生活を目覚ましいほどに変え、現実性そのものにも大幅な変化を与え始めている。現実は拡張されたものとなり、初音ミク、ポケモンゴーではそのなかですでに現実は拡張されている。また仮想通貨やサイバー国家のように、既存の枠にとどまらない現実も出現している。だがこれらはいまだ「人間的、あまりに人間的な」現実性の拡張でもある。人工知能が人間に取って代わる特異点は、ずっと以前に開始されたものであり、機能面で見れば、多くの場面で人間はマシーンにすでにとって代わられてきた。そのとき人間の能力の特質を、ゼロベースで考え直してみるという課題が生じる。演劇の演出家、舞踏家、美術史家、アーティストも入れて、ともかくもリセットされた後の人間について考察するという課題を設定し、そこに果敢に踏み出してみることを哲学の課題とするのが本書の狙いである。
(稲垣諭)