編著/共著
Shakespeare and the 'Live' Theatre Broadcast Experience
Broomsbury Arden
2018年7月
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近年、舞台上演を撮影して映画館で上映したり、ウェブで配信したりする頒布形態がめざましい発展を見せている。ナショナル・シアター・ライヴ、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー・ライヴ、ケネス・ブラナー・シアター・ライヴ、グローブ・オン・スクリーン、カナダのストラトフォード・フェスティヴァルHDなど、シェイクスピアを主力とする舞台劇の映画館上映プロジェクトが次々と始動して支持を得ており、一部は日本にも輸入されて、演劇の受容に大きな影響を及ぼしている。本書はこうした新しい状況に対応すべく、シェイクスピア研究者が非映画コンテンツ上映に取り組んだ論文集である。
本書は、舞台劇上映の歴史的背景や議論に必要な概念的コンテクストをおさえる第1部から始まり、第2部と第3部でカンパニーごとの特徴に着目した分析を提供した後、第4部では受容や観客に関する議論を収録している。収録論文の主題は多岐に亘るが、ライヴネス、イベントシネマ、カメラワーク、観客のSNS利用などは多くに共通する関心である。巻末に2003年から2017年までに上映・配信されたシェイクスピア上演の一覧が補遺としてつけられている。
(北村紗衣)