翻訳
女になる方法 ロックンロールな13歳のフェミニスト成長記
青土社
2018年6月
複数名による共(編/訳)著の場合、会員の方のお名前にアイコン()を表示しています。人数が多い場合には会員の方のお名前のみ記し、「(ほか)」と示します。ご了承ください。
「わたしがみんなにやってほしいのは、「わたしはフェミニスト」って言うことだ。できれば椅子の上に立って「わたしはフェミニスト!!」って叫んでほしい。」(p. 78)
『女になる方法』は、イギリスでベストセラーとなったフェミニズムエッセイ集の日本語訳である。著者のキャトリン・モランはアイルランド系イギリス人で、イングランド中部の都市、ウルヴァーハンプトンの労働者階級の家庭で育った。公的な教育はあまり受けておらず、ブリットポップの全盛期に十代で音楽ジャーナリストとして働き始めた。
本書はそんなモランが13歳を迎えた時の回想から始まり、ファッション、デート、テレビ番組、スターのゴシップといった日常生活の話題から、結婚や出産、中絶など人生の節目となる大きな出来事まで、さまざまなトピックをフェミニズムの視点から面白おかしく、くだけた雰囲気で語るものである。性差別や健康などにかかわる深刻な話題であっても、自分の経験に即してイギリス式の皮肉を交えたユーモアで味付けし、シンプルかつ明快に論じている。
(北村紗衣)