編著/共著
文化政策の現在1 文化政策の思想
東京大学出版会
2018年2月
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文化芸術、アートプロジェクト、観光立国、文化外交…。文化という名称を直接冠していないものも含め、文化的事象に関する政策や施策、事業が様々なレベルにおいて展開されている。このような文化を対象とする政策は、ある文化を、どのような方向へ導くのかという根源的な議論を充分に経ないまま具体的な施策が、中央省庁のみならず、地方自治体や公立文化施設でも展開されてきている。
一方で、現在だけでなく、過去の実践について見ると、文化政策における文化とは何か、文化を何らかのかたちで政策として扱うことにどのような意味があるのか、といった問いが歴史的に繰り返されてきたにもかかわらず、その論点は整理されていないままである。
そこで、過去および現在の具体的な諸現象に徹底的に注目しながら、「文化政策」と冠された政策に含まれる課題と可能性を抽出し、改めて基礎づけることを目的としているのが本シリーズ(全3巻)である。本書は本シリーズのトップバッターとして、過去から連なる現在の文化政策の姿を「国家との相克」、「権利概念の創出」、「制度規範と文化」といったトピックにわたって、14名が執筆している。
(土屋正臣)