編著/共著
高倉健 Ken Takakura 1956-2014
文春文庫
2016年11月
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2014年11月10日、83歳で亡くなった高倉健さんの追悼本である。長嶋茂雄、降旗康男、奈良岡朋子、沢木耕太郎など健さんと交流のあった各界の著名人のインタビューや原稿、全205本の出演作鑑賞ガイド、高倉健が自ら答えたインタビュー記事なども掲載。
劉文兵が執筆した「なぜ高倉健が中国で熱烈歓迎されたのか」は、30数年前に、中国を席巻した「高倉健ブーム」を考察した論考である。1978年10月より、『君よ、憤怒の河を渉れ』(1976年)を皮切りに、『幸福の黄色いハンカチ』(1977年)、『遥かなる山の呼び声』(1980年)、『海峡』(1982年)、『居酒屋兆治』(1983年)などの高倉健主演作が次々と中国で公開され、大ヒットとなった。1983年に初めておこなわれた国内外の映画スターの人気投票では、アラン・ドロンなどの有名男優たちを押しのけて、高倉健がトップの座を占めた。本稿において劉文兵は、中国人が抱く高倉健のイメージの独自性を分析するとともに、高倉健への取材やその後の付き合いを通じて垣間見られる高倉健の人間像に迫ることを試みた。
(劉文兵)