編著/共著
江口寿史 KING OF POP Side B
青土社
2016年10月
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明治大学米沢嘉博記念図書館で2015年10月から16年2月まで行われた同題の展覧会の書籍化。江口寿史は、『週刊少年ジャンプ』連載の「すすめ!!パイレーツ」、「ストップ!!ひばりくん!」で一世を風靡し、その後、現在に至るまでギャグマンガ家、イラストレーターとして先端的な表現を開拓し続けてきた。2015年9月刊行の画集『KING OF POP』(玄光社)及び同題の全国巡回展がイラストレーションの仕事を中心にしたものだったのに対して、「Side B」は主にマンガの仕事を、デビュー前の習作から最新作に至るまで追跡している。
「パイレーツ」を中心にした第1章、「ひばりくん」を中心にした第2章、90年代以降の仕事を中心にした第3章、そして江口作品と音楽の関わりをテーマにした第4章の4章構成で、江口作品の主題と表現の特質と変遷を、同時代の文脈の中でとらえられるよう工夫した。どのような修正が施されているかもわかる原画の画像約150点を含む700点以上の図版と詳細な解説をA5判144ページのコンパクトな本の中に高密度に詰め込み、川名潤氏の装幀・本文デザインによりポップで軽快な見た目でありながら読み応え十分な本に仕上がっている。マンガ家のモノグラフとして、一つの新しい形を提示できたのではないかと自負している。
(宮本大人)