日時:2007年6月30日(土) 18:00 - 19:00
会場:東京大学駒場キャンパス18号館ホール


Part1 … 巻上公一ソロ
「黒い鶴」 (トゥバ民謡)
鶴が湿地に帰ってくる様子とふるさとの人々の帰郷を重ね合わせた歌。
アカペラと特殊な歌唱法ホーメイによってうたわれる。

「ヤバラホエ」(作詩作曲:巻上公一)
1920年に発明されたテルミンという電子楽器と声のさまざまなテクニックを駆使した即興曲。

Part2 … マキガミックテアトリック公演
チャクルパ3「ウルルンソナタ」宇宙語の旅
(作演出作曲:巻上公一/音響:坂出雅海/照明:津田喜久子)


ヴォイスパフォーマンスとプライベートインスタレーション。エレクトリックな音響のリピートと詩人の言葉によって構成するマキガミックテアトリックの公演です。

モルゲンシュテルン「絞首台の歌」、ジョセフ・コーネルの箱、コンダクション、リチャード・フォアマン、これらの影響と断片を使用。何年ものヴォイス開拓の成果と結びついたイメージの演劇を2002年4月に公演したのが、第一回の「チャクルパ」。

そして2006年。宇宙語シアターをさらにおしすすめ、ロシアの詩人フレーブニコフを題材にした、チャクルパ2「ザーウミの海で」を上演。さらにインド古典演劇クーリヤッタムを宇宙語変換した「チャクルパッタム」を制作。

そして、今回お送りするのは、ドイツの詩人シュビッターズの詩をモチーフに宇宙語の旅を描く、チャクルパ3「ウルルン、ソナタ」宇宙語の旅。

シュビッターズの反ダダーメルツ詩「Ur Sonata」が更なる針飛びを起こす昼下がりハノーファーから宇宙語はRuuuuuummmと旅する驚異の人間サウンドを抽出する超歌唱オペラの神髄声の音響で綴る一時間です。

巻上公一プロフィール

ヒカシューのリーダーとして作詩作曲はもちろん、声の音響やテルミン、口琴を使ったソロワークやコラボレーションも精力的に行っている。声の即興は、立体派、ダダ、フリーの系譜を継ぐ宇宙派と言える。音階的スキャット、文学的ハナモゲラや、娯楽的楽器の模倣ではなく、より抽象的な世界だ。また喉歌ホーメイは日本の第一人者として多くの歌手を育てているばかりでなく、毎年トゥバやアルタイから名歌手を招聘、交流を組織している。テルミンは空中に手かざしをするロシアの電子楽器だが、通常の奏法を逸脱したカンフースタイルを確立している。口琴はローベルト ザグレッヂーノフを師とし、たくさんの発明口琴を使いこなす。ヒカシューはもう30年近くも続くニューウェイブを根とするいまだクリエイティブな異色のロックグループだ。歌らしい歌から歌にもならないものまで歌う歌唱力には定評がある。また、それらの音楽要素を駆使する演劇パフォーマンスのクリエーターとしても活躍している。

主な共演者に、ジョン・ゾーン、デビッド・モス、デレク・ベイリー、フィル・ミントン、梅津和時、高橋悠治、ボロット・バイルシェフなど。

また世界のさまざまフェスティバルにも参加。トゥバの国際ホーメイフェスティバル、ノルウェイのウルティマ現代音楽祭、オーストリアのインスブルク音楽祭、スイスのタクトロスフェスティバル、オーストラリアのWhat is musicフェスティバル、カナダのヴィクト、ニュージーランドのAPC、カルムキアの語り部フェスティバルなど多数。

最新CD
ヒカシュー『入念』・ヒカシュー『転々』・テルミンソロ『月下のエーテル』・ソロヴォイス『KOEDARAKE』