2023年7月9日(日)10:00-12:00
Komcee East 2階 K211

2021年に88歳で逝去した渡邊守章は、表象文化論という新たな学問分野の創設者のひとりであるとともに、ラシーヌ、マラルメ、クローデル、ジュネ、フーコーを中心とするフランス文学・哲学の研究者・翻訳家として、さらには日本古典芸能と西洋演劇とを融合した舞台で知られる演出家として、実に精力的な活動を繰り広げた。既存の学術ジャンルのみならず、研究と舞台、日本と西洋とのあいだの境界を軽やかに横断するなかで積み重ねられてきた渡邊守章の仕事は多彩かつ膨大だが、その核をなすのは〈知を上演する〉ことへの意志だったと言えるだろう。本パネルは、渡邊守章とともに東京大学における表象文化論の教育研究を牽引した小林康夫、仏文学者としての渡邊守章の薫陶を受けた石田英敬、パフォーマンスアーティストとして渡邊守章の演劇精神を受け継いだ高橋幸世の3名が、渡邊守章の活動をそれぞれ振り返りながら、そのアクチュアルな意義について考察する。

登壇者
石田英敬(東京大学名誉教授)
小林康夫(東京大学名誉教授)
高橋幸世(作曲家、パフォーマンスアーティスト)

司会
竹内孝宏(青山学院大学)