2022年11月13日(日)
午後13:00〜15:00

  • 渡名喜庸哲『レヴィナスの企て──『全体性と無限』と「人間」の多層性』を読む

渡名喜庸哲(著者/立教大学)
合田正人(明治大学)
福尾匠(立教大学/日本学術振興会)
郷原佳以(兼司会/東京大学)


 第13回表象文化論学会賞を受賞した渡名喜庸哲『レヴィナスの企て 『全体性と無限』と「人間」の多層性』(勁草書房)は、「捕囚手帳」など近年公刊された新資料も踏まえ、主著『全体性と無限』までのレヴィナスについて、〈他者の倫理〉に収斂しない新たな読解を提示する刺激的な著作である。レヴィナスの企てを世界との接触のセンサーとしての「意味=感覚」の探求に見出す本書は、レヴィナス研究にとどまらない射程を有している。本セッションでは、これまでレヴィナス研究を先導してきた合田正人、ドゥルーズ『シネマ』の新解釈を示した福尾匠、ブランショ研究の郷原佳以がそれぞれの観点から本書を読解し、著者と議論を交わすことによって、本書の多角的な読みが示されるだろう。なお、合田の発表は『表象』16号に寄せられた本書に対する書評に基づくもので、むしろそれに対する著者の応答が行われる予定である。