日時:2017年7月1日(土)13:30-15:30
会場:シネマまえばし
門林岳史(関西大学)
中島那奈子(ダンス研究、ダンスドラマトゥルク)
星野太(金沢美術工芸大学)
三輪健仁(東京国立近代美術館)
【司会】加治屋健司(東京大学)
本シンポジウムでは、美術と舞台芸術を横断する諸問題について、とりわけパフォーマンスと展示に注目して考察する。美術の分野では、20世紀初頭の未来派以来、身体表現を用いた作品の長い歴史があるが、近年、身体表現が美術館の展示や収集の対象となり、再び注目を集めている。ニューヨーク近代美術館は2009年からパフォーマンスの展覧会を行い、テート・モダンも2012年にパフォーマンス、映像、インスタレーションのための空間を作った。そして、両館ともパフォーマンス作品の収集を行っている。日本では東京国立近代美術館が2012年にパフォーマンスの展覧会を行っている。また、ソーシャリー・エンゲージド・アートにおいても、行動や実践を中心とする非物質的な作品が作られ、アーティストとは別の者にパフォーマーを委任するパフォーマンスが一般化している。本シンポジウムでは、こうした美術における近年のパフォーマンスの前景化を、美術の文脈だけで考えるのではなく、舞台芸術の動向も踏まえて考察したい。身体表現の歴史化・アーカイブ化、新たな観客の身体経験の登場、映像メディアの発達による展示や記録の変化などの問題といった、美術と舞台芸術を横断する諸問題の検討を通して、パフォーマンスと展示の問題を領域横断的に議論したい。